長崎港に全長347メートル、総トン数16万9千トンの巨体が現れるたび、街全体の景色が一変するような感覚を覚えます。
ロイヤル・カリビアン・インターナショナルが運航する「SPECTRUM OF THE SEAS(スペクトラム・オブ・ザ・シーズ)」は、長崎に寄港する客船の中でも最大級のサイズを誇り、その圧倒的な存在感は見る者を魅了してやみません。
長崎港の常連であり、撮影愛好家からも熱い視線を浴びるこの「海上の超高層ビル」について、データと実体験を交えて詳しく解説します。
本記事は状況に応じて写真の差し替えおよび文章の加筆修正が行われます。
スペクトラム・オブ・ザ・シーズの紹介

スペクトラム・オブ・ザ・シーズは「最新技術とエンターテインメントが凝縮されたアジア最大級のスマート客船」です。
従来のクァンタム・クラスをさらに進化させた「クァンタム・ウルトラ・クラス」の第1船として誕生したこの船は、ギネス記録にも認定された地上90mまで上昇する観測カプセル「ノース・スター」や洋上でスカイダイビング体験ができる「アイフライ」など見ているだけでもワクワクするようなアトラクションが満載で、これまでの客船の常識を覆す設備を数多く備えています。
長崎港に停泊している姿は、まさに動くリゾート島そのものです。
スペクトラム・オブ・ザ・シーズはロイヤル・カリビアン・インターナショナルが誇るクァンタムクラスの客船で女神大橋の真下を通過して長崎港に接岸できる客船としては最大級。
クァンタムクラスは革新的な技術とエンターテインメントを特徴とし、いずれも16万トン級の大型クルーズ船となっています。
クァンタムクラスは以下の5隻が含まれています。
スペクトラム・オブ・ザ・シーズの船舶データ

この船の最大の特徴は、何といってもその「大きさ」にあります。
総トン数16万トン超えという数字は、近くで見上げると首が痛くなるほどの高さであり、長崎港のシンボルである女神大橋を通過する際の迫力はまさに圧巻の一言です。
具体的な規模感を把握するために、主要なデータを以下の表にまとめました。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 船名 | SPECTRUM OF THE SEAS(スペクトラム・オブ・ザ・シーズ) |
| IMO番号 | 9778856 |
| MMSI番号 | 210563000 |
| コールサイン | 5BDR6 |
| 船籍 | キプロス |
| 船籍港 | リマソール |
| 総トン数 | 169,379 |
| 全長 | 347.1メートル |
| 全幅 | 41.39メートル |
| 乗客定員 | 4,246名(最大5,622名) |
| 乗組員数 | 1,551名 |
船舶データの数値は多少の誤差がありますので予め御了承ください。
船舶データに記した「IMO番号」は、いわばこの船が生涯変わることのない「世界共通のマイナンバー」です。
例えば、船舶追跡サイト「Marine Traffic(マリン・トラフィック)」などで、IMO番号を入力すると、世界のどこを航海しているのかをリアルタイムで知ることができます。
長崎を離れた船舶が、今ごろどこの海にいるのか……そんな「旅の続き」を想像させてくれる魔法の数字でもあります。
わたしが見たスペクトラム・オブ・ザ・シーズ

2024年5月19日(日)

初夏の爽やかな風が吹き抜けるグラバー園へ
満開の花々の向こうに、突如としてあらわれる「海上の超高層ビル」
大型客船が一隻寄港するだけで、歴史ある庭園からの風景が一変し、華やかな異国情緒に包まれるのが本当に面白いところです。

グラバー園(第2ゲート)から徒歩で約10分。長崎港を一望できる絶景スポット「鍋冠山(なべかんむりやま)展望台」へと足を伸ばしました。
山頂からの景色はまさに圧巻!ちょうど小型の船が通り過ぎていきましたが、その大きさの違いは一目瞭然ですよね。

いよいよ松が枝国際ターミナルからの離岸・出港の時を迎えます。
夕陽でほんのりオレンジ色に染まる空と海の中、煙突から煙をあげて静かに動き出す巨大な船体。
少し切なくも、胸が熱くなるような感動的な瞬間でした。
2024年5月11日(土)

この日は朝一番のスペクトラム・オブ・ザ・シーズを松が枝国際ターミナルで出迎えました。ターミナルのすぐそばから見上げる巨大な船体は、朝の光を浴びて青白く輝き、その圧倒的なスケールに改めて息を呑みます。船尾にある黄色い球体アトラクションもバッチリ見えて、これぞクァンタム・クラス!という存在感でした。

松が枝を後にして、グラバー通りへと向かいます。時刻はまだ8時過ぎ。いつもは観光客で賑わう「祈りの丘絵本美術館」や、国宝「大浦天主堂」へと続くオランダ坂も、この時間は驚くほど静かで人影もありません。
まちがまだ眠っているかのような静寂の中、絵本のような風景を独り占めしながら、高台のビューポイントへと登ってくと、万葉や青雲丸の姿が・・・

高台から下りて、今度は長崎水辺の森公園へと向かいました。公園の広々とした芝生と、その先に接岸するスペクトラム・オブ・ザ・シーズ。ここでは、朝の散歩を楽しむ市民の方々と、巨大な船体との対比が面白く、思わずシャッターを切りました。 犬を連れて歩く人や、ランニングをする人……人々の日常の風景の中に、忽然と現れた16万トン級の異世界。その不思議な日常と非日常の共存もまた、長崎港の魅力の一つだと感じました。
2023年9月27日(水)

松が枝国際ターミナルにどっしりと停泊した巨体には、近くのハトも心なしかビックリしている様子(笑)岸壁のあたりを散歩してみると、乗客と思われる海外旅行者の方々がたくさんくつろいでいて、いつもの長崎港が一気に「海外のリゾート地」のような異国情緒たっぷりの雰囲気に包まれていました。

少し足を延ばして、高台にあるグラバー園(旧三菱第2ドックハウス付近)からも船を眺めてみました。船のアイコンでもある黄色い球体アトラクションや、海上90メートルまで上がる観測カプセル「ノース・スター」が間近に見えて大迫力!夕暮れ時の長崎の街並みと、海に浮かぶビルような船体のコントラストが本当に美しかったです。

日が落ちて夜になると、船全体にパッと明かりがともり、昼間とはガラリと違う幻想的な姿に。
グラバー園のレトロな洋館やライトアップされた庭園越しに見るスペクトラム・オブ・ザ・シーズは、まるで宝石箱をひっくり返したような輝きで、時間を忘れてうっとり見惚れてしまいました。
一期一会の出会いを、長崎港の記録として残す

長崎港に客船が来るということは、その時、その場所でしか撮れない風景が生まれるという事です。
同じスペクトラム・オブ・ザ・シーズであっても、その日の天気や潮の満ち引き、そして背後の山々の表情によって、写真に残る印象は全く異なります。16万トン級の巨体がもたらす衝撃をファインダー越しに捉え、記録し続けることは、長崎という港町の歴史を刻むことにも繋がります。
これからも、この偉大な客船が長崎の街を訪れる瞬間を大切に待ち構え、その魅力を1枚の写真に凝縮していきたいと思います。
長崎港に寄港予定のクルーズ客船情報は長崎港ホームページで確認出来ます。
\長崎港/
