長崎港に寄港する客船の中でも、ひときわ個性的で「通」なファンを唸らせる船があります。それがヘリテージ・アドベンチャラーです。派手な装飾を削ぎ落とした質実剛健なスタイルは、世界中の極地を巡るために造られた「本物」の証です。
今回は、知る人ぞ知る名船、ヘリテージ・アドベンチャラーの魅力と、長崎でその姿を捉える意義について詳しく解説します。
本記事は状況に応じて写真の差し替えおよび文章の加筆修正が行われます。
HERITAGE ADVENTURER(ヘリテージ・アドベンチャラー)の紹介

世界で最も過酷な海域を渡り歩いてきた、最高峰の耐氷能力を持つラグジュアリー探検船
HERITAGE ADVENTURER(ヘリテージ・アドベンチャラー)は、ニュージーランドを拠点とする「ヘリテージ・エクスペディションズ社」が運航している探検クルーズ船です。
南極や北極などの極地探検クルーズを中心に運航していますが、日本にもたびたび寄港しており、釧路、小樽、八戸、広島、神戸、大阪、金沢、萩、宇野、屋久島など、日本各地の港で見かけることができます。
ヘリテージ・アドベンチャラーは「極地探検の貴婦人」とも称される探検クルーズ船で、極地探検のために最高水準の砕氷能力や14隻のゾディアックボート(エンジン付きゴムボート)などを搭載しています。
現在のヘリテージ・アドベンチャラーは1991年にフィンランドで建造され、過去に以下の名前で運航されて来ました。
定員わずか140名という少人数で、大型船が近づけない秘境や離島を巡っています。
探検に特化した船舶データ

ヘリテージ・アドベンチャラーの真価は、その強靭な設計にあります。
厚い氷を割りながら進むための特殊な構造(耐氷クラス1Aスーパー)を備えており、まさに「鋼の貴婦人」と呼ぶにふさわしいスペックを誇ります。
全長120m強というサイズは、長崎の街並みや山々と非常にバランス良く調和します。
主要な船舶データは以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 船名 | HERITAGE ADVENTURER(ヘリテージ・アドベンチャラー) |
| IMO番号 | 9000168 |
| 船籍 | ポルトガル |
| 船籍港 | マデイラ |
| 総トン数 | 8,445 |
| 全長 | 124.8メートル |
| 全幅 | 18メートル |
| 乗客定員 | 140名 |
| 乗組員数 | 約100名 |
※船舶データの数値は多少の誤差がありますので予め御了承ください。
船舶データに記した「IMO番号」は、いわばこの船が生涯変わることのない「世界共通のマイナンバー」です。
例えば、船舶追跡サイト「Marine Traffic(マリン・トラフィック)」などで、IMO番号を入力すると、世界のどこを航海しているのかをリアルタイムで知ることができます。
長崎を離れた船舶が、今ごろどこの海にいるのか……そんな「旅の続き」を想像させてくれる魔法の数字でもあります。
わたしが見たヘリテージ・アドベンチャラー

世界への玄関口、長崎港へようこそ!
長崎港において、このクラスの船は松が枝岸壁だけでなく、時に出島岸壁などに接岸することもあります。
そのサイズゆえに長崎の風景の中にすんなりと溶け込み、古き良き港町の情景を思い出させてくれます。
2025年4月29日(火)

松が枝国際ターミナルから見たヘリテージ・アドベンチャラー
晴天に恵まれ若い乗客の方々は出かけられたようです。
救命ボートとは別に、探検クルーズ船らしくゾディアックボートも積まれています。
一期一会の出会いを、長崎港の記録として残す

ヘリテージ・アドベンチャラーのような「探検船」の寄港は、非常に稀少で特別な機会です。
世界中を飛び回るこの船が、航路の一部として長崎を選び、数時間だけその姿を見せてくれる。
その一瞬をファインダーに収めることは、長崎の港を愛する撮影者にとって、一つの財産とも言える記録になります。
流行に左右されない機能美と、歴史が醸し出す気品。そんな「本物の船」の表情を、これからも長崎の美しい風景と共に大切に収め続けていきたいと思います。
長崎港に寄港予定のクルーズ客船情報は長崎港ホームページで確認出来ます。
\長崎港/
